生牡蠣とノロウイルスの関係とは?本当にB型はかかりにくいのか?

はじめに

冬の味覚として人気の高い生牡蠣。しかし、そのおいしさの裏には「ノロウイルスに当たりやすい」というリスクがつきまといます。
毎年、ノロウイルスによる食中毒の報告が多く、特に生牡蠣が原因となることがよくあります。

ノロウイルスとはどのようなウイルスなのか?なぜ生牡蠣は当たりやすいのか?
さらに、「B型の血液型の人はノロウイルスにかかりにくい」という噂は本当なのか?これらの疑問について詳しく解説していきます。

ノロウイルスとは?

ノロウイルスは、人の腸管内で増殖するウイルスで、感染すると激しい胃腸炎を引き起こします。
主な症状としては、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などがあり、感染力が非常に強いのが特徴です。

ノロウイルスは少量でも感染するため、手洗いや食材の加熱が不十分だと、あっという間に広がってしまいます。
特に冬場は、低温でウイルスが活発になりやすく、食中毒の発生件数が増加する時期です。

なぜ生牡蠣はノロウイルスに当たりやすいのか

生牡蠣がノロウイルスのリスクを持つ理由は、その生態と摂取する環境にあります。

牡蠣は海中の水を大量に吸い込みながら栄養を得る「ろ過摂食」を行っています。
その過程で、海に流出したノロウイルスが牡蠣の体内に蓄積されることがあります。

特に、沿岸部では生活排水や下水処理が完全に行き届かず、ウイルスが海に残ることもあります。
そのため、牡蠣の生息域によっては、ノロウイルスを持っている可能性が高くなるのです。

加熱すればウイルスは死滅しますが、生で食べる場合はウイルスがそのまま体内に入り、感染のリスクが高まります。

ノロウイルスにかかりにくい血液型は本当にあるのか?

「B型の人はノロウイルスにかかりにくい」という説がありますが、これは完全に根拠のない話ではありません。

ノロウイルスの感染には、「ヒトノロウイルス受容体」と呼ばれる物質が関与しており、これは血液型によって異なることが知られています。

研究によると、O型やA型の人はノロウイルスに感染しやすい一方で、B型の人は感染しにくい傾向があるとされています。
しかし、これはあくまで傾向であり、B型の人が絶対に感染しないわけではありません。

また、ノロウイルスには複数の型が存在し、すべての型に対してB型の人が免疫を持っているわけではないため、過信は禁物です。

ノロウイルスを防ぐには

ノロウイルス感染を防ぐためには、以下のような対策が有効です。

  • 生牡蠣を食べる際は、産地や品質管理がしっかりしているものを選ぶ
  • 加熱する場合は85〜90℃で90秒以上火を通す
  • 食事の前やトイレの後に、石けんを使ってしっかり手を洗う
  • 食材や調理器具をこまめに消毒し、ウイルスの拡散を防ぐ

特に、手洗いの徹底は感染予防に最も効果的な方法の一つです。

まとめ

ノロウイルスは非常に感染力が強く、特に生牡蠣を食べることで感染リスクが高まります。牡蠣が海中のノロウイルスを蓄積しやすいことが主な原因ですが、加熱すればリスクを抑えることができます。

また、B型の血液型の人は感染しにくい可能性があるものの、すべてのノロウイルスの型に対して免疫があるわけではなく、油断は禁物です。

美味しい生牡蠣を安全に楽しむためにも、正しい知識と対策を持って食事を楽しみましょう。

  • B!