はじめに
ニュースやSNSで、子ども、高齢者、動物などの弱い立場の存在が虐待される事件を目にすることがあります。
「どうしてこんな酷いことができるのか?」と疑問に思う人も多いでしょう。
虐待を行う人には、特定の心理的要因や環境的要因が影響していることが分かっています。
この記事では、虐待をする心理と、それを行いやすい人の特徴について詳しく解説していきます。
弱いものを虐待する心理とは?
支配欲・優越感を満たしたい
虐待をする人の中には、「自分が強い立場にいることを実感したい」という心理が強い場合があります。
本来は対等な関係でいるべき人間関係の中で、自分より弱い存在を支配することで満足感を得ようとするのです。
例えば、仕事や社会でうまくいかず、他人に認めてもらえない人が、家庭内で子どもやペットに暴力を振るうことで、自分の力を誇示しようとするケースがあります。
ストレスのはけ口にする
仕事や人間関係などでストレスを抱えたとき、それを弱い者にぶつけることで発散しようとする人もいます。
本来ならストレスは適切に解消するべきですが、「自分より弱い相手なら反撃されない」と考え、攻撃的な行動をとってしまうのです。
これは「八つ当たり」とも言えますが、日常的に行われると、虐待へとエスカレートしていきます。
共感能力が低い(サイコパシー傾向)
虐待を行う人の中には、他人の痛みや苦しみを感じ取る能力(共感力)が著しく低い人もいます。
サイコパシー傾向のある人は、他人の苦しみを「ただの反応」としか捉えないため、罪悪感を抱かずに虐待を続けることがあります。
特に、動物虐待を行う人は、サイコパシー傾向を持っていることが多いと指摘されています。
過去に虐待を受けた経験がある
幼少期に虐待を受けた人が、大人になって「虐待の連鎖」を引き起こすケースもあります。
本来なら、虐待を受けた人は「自分はこんなことをしたくない」と思うものですが、虐待されることで「支配する側とされる側」という関係性が刷り込まれることがあります。
結果として、成長後に「自分が強くなるためには、他者を支配しなければならない」と考え、同じ行動を取ることがあるのです。
感情をコントロールできない
衝動的に怒りやイライラを感じやすい人も、虐待に走ることがあります。
例えば、赤ちゃんが泣きやまない、認知症の親が同じことを何度も言う、ペットが思い通りに動かないといった状況に直面したとき、冷静に対応する能力が低い人は、感情的に手を出してしまうのです。
このような人は、怒りのコントロールができないだけでなく、後から罪悪感を抱かないケースも多いため、虐待が習慣化することがあります。
虐待をしやすい人の特徴
自己中心的な性格
自分のことしか考えず、他人の気持ちを軽視するタイプの人は、虐待をしやすい傾向があります。
こういう人は、「自分がイライラしているから」「自分が満足するために」という理由で、平気で相手を傷つけます。
また、謝ることが苦手で、自分の行動を正当化する傾向が強いのも特徴です。
ストレス耐性が低い
仕事や家庭内のストレスに弱く、小さなことでイライラしやすい人も虐待を行いやすい傾向にあります。
例えば、子どもが言うことを聞かない、認知症の親が自分の世話を必要とする、ペットがトイレを失敗するといった日常的な出来事に対し、冷静に対応できず、すぐに怒りを爆発させるタイプです。
過去に虐待や暴力を経験している
幼少期に親から虐待を受けたり、暴力的な環境で育った人は、大人になっても「これが普通」と思い込んでいることがあります。
そのため、自分が親になったときに、無意識のうちに同じことをしてしまうケースが多く見られます。
支配欲が強い
他人をコントロールしたいという欲求が強い人も、虐待をしやすい傾向があります。
こうした人は、「自分の思い通りにならないと気が済まない」という考えが根底にあり、自分より弱い立場の者を支配することで満足感を得ようとします。
虐待を防ぐためには?
虐待の兆候を見逃さない
虐待は、最初は小さな暴言や無視から始まり、徐々にエスカレートすることが多いです。
「ちょっと怒鳴っただけ」「軽く叩いただけ」と思っていても、それが習慣化すると深刻な虐待につながります。
周囲の支援を活用する
育児や介護、ペットの世話に疲れたときは、一人で抱え込まずに周囲の助けを借りることが大切です。
- 育児で疲れたら、家族や保育施設に頼る
- 介護が負担になったら、デイサービスなどの支援を利用する
- ペットが思い通りにならなくても、冷静にしつけを見直す
ストレスの適切な発散方法を身につける
怒りやストレスを溜め込まないよう、適度な運動や趣味、リラックスする時間を作ることも重要です。
まとめ
弱い者を虐待する人の心理には、支配欲・ストレス発散・共感力の欠如・過去の虐待経験・感情のコントロール不足といった要因が関係しています。
また、自己中心的でストレス耐性が低く、支配欲が強い人が虐待をしやすい傾向にあります。
虐待を防ぐためには、虐待の兆候に気づき、適切な支援を受けることが重要です。
「自分は大丈夫」と思っていても、ストレスや環境次第では誰でも加害者になり得る可能性があります。
常に冷静に対処し、弱い存在を守る意識を持つことが、より良い社会を作るための第一歩なのです。