はじめに
「毒親（どくおや）」という言葉を聞いたことがありますか？
毒親とは、子どもに対して過度に支配的だったり、過剰な期待を押し付けたり、精神的・身体的に傷つけるような親のことを指します。
幼少期に毒親のもとで育つと、その影響は大人になってからも続くことが多く、人間関係や自己肯定感、精神的な安定に大きな影響を及ぼすことがあります。
今回は、毒親に育てられた人がどのような性格や行動パターンを持ちやすいのかについて詳しく解説します。
毒親に育てられた人が抱えやすい特徴
自己肯定感が低い
毒親に育てられた人は、「自分は価値のない人間だ」「どうせ自分なんて…」と考えることが多く、自己肯定感が極端に低くなりがちです。
幼少期に「ダメな子ね」「お前は何をやっても失敗する」と否定され続けたり、親の期待に応えられないと愛されない経験をしていると、自分の価値を見出しにくくなります。
その結果、大人になっても「他人に認められないと価値がない」と思い込み、常に周囲の評価を気にしてしまいます。
人の顔色をうかがう癖がつく
子どもの頃、親の機嫌に振り回されていた人は、大人になっても人の顔色を過剰に気にするようになります。
「怒らせたらどうしよう」「嫌われたらどうしよう」と常に相手の気持ちを考えすぎてしまい、自分の意見を主張できなくなることがあります。
仕事や恋愛においても、相手の意向を優先しすぎてしまい、無理をしてしまうケースが多いです。
罪悪感を感じやすい
毒親は、子どもに罪悪感を植え付けることがよくあります。
「親の言うことを聞かないのは親不孝だ」「私がこんなに苦労してるのに、お前は何もわかってない」と言われ続けると、自分の考えや行動に対して常に罪悪感を持つようになります。
その結果、「自分の幸せを優先すると悪いことをしている気がする」「人に頼るのは申し訳ない」と感じやすくなります。
自分の気持ちが分からなくなる
毒親に育てられた人は、子どもの頃から「こうしなさい」「これが正しい」と強制され続けるため、自分の本当の気持ちが分からなくなることがあります。
「本当にやりたいことは何か？」と考えても答えが出ず、他人の意見に流されやすくなる傾向があります。
恋愛や仕事の選択でも、「自分がどうしたいか」よりも「周りが期待すること」を優先してしまいがちです。
恋愛や結婚で問題が起こりやすい
毒親に育てられた人は、恋愛や結婚においても影響を受けやすいです。
例えば、「愛情を得るには相手に尽くさなければならない」と思い込んでしまい、相手に尽くしすぎたり、自己犠牲をしすぎる傾向があります。
また、モラハラ気質のパートナーを選んでしまうことも多く、支配的な関係になりやすいです。
逆に、親と同じような人と付き合うことで、無意識に「親に認めてもらえなかった分を取り戻そう」とする心理が働くこともあります。
完璧主義になりやすい
「もっと頑張らないとダメだ」「完璧にできないと認めてもらえない」という思考が根付いていると、大人になってからも完璧主義になりがちです。
少しでもミスをすると自己嫌悪に陥り、何をするにも慎重になりすぎて行動が遅くなることがあります。
仕事でも「もっと頑張らないと」と過度に自分を追い込んでしまい、ストレスや疲労をため込んでしまうことが多いです。
怒りやすくなる、または感情を押し殺す
毒親に育てられた人は、感情の扱い方が分からなくなり、極端に怒りっぽくなったり、逆に感情を押し殺すようになります。
幼少期に「親の機嫌が悪いと大変なことになる」と感じていた人は、怒りを恐れて自分の気持ちを抑え込むことが多いです。
一方で、「怒ることで支配できる」と学習した場合は、逆に怒りを爆発させることがあります。
毒親の影響を克服する方法
自分の価値を認める
まずは、「自分には価値がある」と認識することが大切です。
親の影響で「自分はダメな人間だ」と思い込んでいる場合、それは過去の刷り込みであり、本当の自分ではないと気づくことが重要です。
少しずつでも「できたこと」に目を向け、自分を肯定する習慣をつけると良いでしょう。
自分の気持ちを知る練習をする
「自分は本当はどう思っているのか？」を考える時間を作ることが大切です。
日記を書いたり、カウンセリングを受けたりすることで、自分の気持ちを整理しやすくなります。
また、「本当はどうしたい？」と自分に問いかけることで、少しずつ自分の意見を持つことができるようになります。
人間関係を見直す
毒親の影響で、人間関係が不健全になっている場合は、関係を見直すことも必要です。
支配的な人や否定的な人と距離を置き、自分を大切にしてくれる人と関わることを意識すると、心の負担が減っていきます。
専門家の助けを借りる
毒親の影響は深刻な場合もあり、自分だけで解決するのが難しいこともあります。
心の傷が深い場合は、カウンセリングや心理療法を受けることで、より良い方向へ進む手助けになります。
まとめ
毒親に育てられると、自己肯定感の低さや人の顔色をうかがう癖、罪悪感を抱えやすいなど、大人になっても影響が続くことが多いです。
しかし、過去の経験がすべてを決めるわけではありません。自分の気持ちを大切にし、少しずつ自己肯定感を取り戻すことで、幸せな人生を築くことは可能です。
毒親の影響に悩んでいる人は、一人で抱え込まずに、信頼できる人や専門家のサポートを受けながら、自分の人生を取り戻していきましょう。