親しい友人宅なら別ですが、訪問先ではあまり長居は避けたいところです。
用件が済んだら早く帰るようにしたいところではありますが、用件が済んだからすぐに帰るというのは失礼にあたります。
一般的には訪問時間の目安は1~2時間程度で、用件が済んだ後は先方の話し相手を努めるのが礼儀となっています。
どのタイミングなら失礼に当たらないでしょうか?
そもそも「おいとま」とは?
「おいとま」は普段、気軽に使うような言葉ではないかもしれません。漢字で書くと「お暇」と書きます。
「立ち去る」「辞去する」の他にも休暇や離婚など、様々な意味で使われる事があります。
元々奉公人が主人など目上の人に対して、休暇を取る際や辞める際に「おいとまをちょうだいする」などと表現して使われていました。
目上の相手を立てる謙譲語の性質を持っており、現代の日本語においては、特にビジネスシーンでの取引先や上司など、目上の相手に対して辞去の挨拶を告げる際に使われる事が多いです。
使い方の例としては
「そろそろおいとま致します」「これでおいとまします」
があります。
先方としても、帰って欲しいとは思っていても「そろそろお帰りください」とは言いにくいです。
おいとまは、訪問した側が告げるのがマナーですので覚えておきましょう。
切り出しやすいのはお茶の入れ替え時
楽しい時間を過ごしたり、もてなして頂いている時には、おいとまするとなかなか言い出しにくいところです。
スムーズに自然においとまできるのが理想ですよね。
一番スムーズにおいとまできるのは、お茶の入れ替え時です。
お茶のおかわりを勧められたときに
「いえ、結構です。そろそろおいとま致します」
という流れなら言いやすく、スムーズに進みます。
その他にも会話の途絶えた時や、電話がかかってきた時などがあります。
また、話が盛り上がっていたり、雰囲気的に言い出しにくい時もあるかもしれません。訪問した段階で、前もって帰る時間を告げておくのも、おいとましやすくなります。
相手側が礼儀として引き止めてくれる事もあるかもしれませんが、殆ど社交辞令なので丁寧に断れば問題はないでしょう。
訪問先でのマナーについて「自宅に招いてくれた…相手のお宅へお邪魔する際に気をつけることは?」で解説しているので参考にしてください。
まとめ
訪問先でのおいとまを切り上げるタイミングは、なかなか難しいです。
ちなみに、なぜ「そろそろ帰りますので」と言うと失礼かと言うと、直接的な表現になってしまうからです。
その為に「そろそろおいとまします」という、間接的な表現を使うのでしょう。
相手のお宅に訪問した時から玄関を出るまで気が抜けない状態でありますが、きちんとしたマナーを知っておくと、相手からの印象も違うでしょう。