なぜ年を取ると1年が短く感じるようになるの?

2024年8月6日

はじめに

年を重ねるごとに、1年がどんどん短く感じられるという経験はありませんか?
これは多くの人が感じる現象であり、実は心理学的な法則で説明することができます。
その一つが、19世紀のフランスの哲学者ポール・ジャネによって提唱され、甥の心理学者ピエール・ジャネによって紹介されたジャネーの法則です。

ジャネーの法則とは?

ジャネーの法則は、「主観的に記憶される年月の長さは年少者にはより長く、年長者にはより短く感じられる」という現象を説明する法則です。
簡単に言うと、年を取るほど時間が早く過ぎると感じるのは、年齢に対する時間の相対的な長さが短くなるためです。

年齢と時間の相対的な長さ

例えば、50歳の人にとって一年の長さは人生の50分の1に過ぎませんが、5歳の子供にとっては5分の1に相当します。
この違いにより、50歳の人にとっての10年間は、5歳の子供にとっての一年間と同じように感じられるのです。
つまり、50歳の人にとっての一日は、5歳の子供にとっての10日間に相当することになります。
分母が大きいほど1年の割合が小さくなるため濃度が薄く感じられるということですね。

心理学的背景

ジャネーの法則は、時間の感覚が年齢と共に変化する理由を説明しています。
生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する(年齢に反比例する)ということです。
生きてきた年数が増えると、各年の相対的な長さが小さくなり、その結果、時間が早く感じられるのです。

実生活での影響

この法則は、日常生活にも様々な影響を与えます。
年を重ねるごとに、新しい経験や驚きが減り、日々の出来事がルーチン化することで時間の流れが早く感じられることも一因です。
新しいことに挑戦し続けることで、時間の感覚を豊かに保つことができるかもしれません。

まとめ

年を取ると一年が短く感じる理由は、ジャネーの法則によるものです。
年齢が上がるにつれて、時間の相対的な長さが短くなるため、時間が早く過ぎるように感じられます。
日常生活において新しい経験を取り入れることで、時間の流れを少しでも緩やかに感じることができるかもしれません。
次回、時間の速さを感じたときには、ジャネーの法則を思い出してみると面白いですよ。

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