はじめに
日常生活で、楽しい出来事よりも悲しい出来事の方が強く心に残ると感じたことはありませんか?実際に、ネガティブな感情の方がポジティブな感情よりも強く影響を与えるという研究結果があります。どうしてこのような現象が起こるのか、詳しく見てみましょう。
ポジティブとネガティブの力
心理学の研究によると、ポジティブな感情よりもネガティブな感情のほうが強い力を持っていることが分かっています。このことを「ネガティビティバイアス」と呼びます。
ネガティビティバイアスとは?
ネガティビティバイアスとは、人間がネガティブな情報や出来事に対して強く反応しやすい性質のことです。
これは私たちの脳が危険を避けて生き残るために発達したものです。
研究の例
2004年にロードアイランド大学が行った実験では、ある有名なIT企業の60の事業部を調べました。
この研究では、収益の高い事業部とそうでない事業部の違いを探るために、どのくらいポジティブな発言やネガティブな発言が行われているかを調べました。
結果は意外なものだった
研究の結果、最も収益が高い事業部では、メンバーが仕事中にポジティブな発言をする割合がネガティブな発言の6倍も多かったのです。
これは、「来月の利益は最悪だ……」のようなネガティブなコメントの悪影響を打ち消すためには、「君の意見には大賛成だ!」といったポジティブなコメントを6つも必要とすることを意味します。
ポジティブなコミュニケーションの重要性
この研究は、ポジティブなコミュニケーションが組織のパフォーマンスにとってどれだけ重要かを示しています。
ネガティブな発言の影響を減らすためには、多くのポジティブな発言が必要です。
まとめ
ネガティブな感情や発言は私たちの心に強く影響を与えます。
だからこそ、意識的にポジティブな発言や行動を増やすことが大切です。
友達や家族と楽しい話をしたり、誰かの良いところを見つけてほめたりすることで、みんなの気持ちが明るくなります。