この記事でわかること
- 日本人の行動経済学に関する研究
- 大阪大学社会経済研究所による実験とそのゲームのルール
- 実験結果と日本人の行動傾向の解析
日本人の行動経済学に関する研究
大阪大学社会経済研究所では、日本人の行動経済学に関する興味深い研究を行っています。
自分の利益より他人の不幸を優先する度合いを測る実験です。
この研究は、日本人の底意地の悪さに焦点を当てたもので、特定のゲームを通じて科学的に分析されました。
大阪大学社会経済研究所による実験とそのゲームのルール
研究では、筑波大学の学生を対象に、特定のゲームを用いて実験が行われました。ゲームのルールは以下の通りです。
- ペアになり、双方で10ドルずつ所持する。
- 出した金額の1.5倍を互いに等しく受け取ることができる。
- 例えば、双方が10ドルずつ出し合えば、ともに30ドルを受け取るが、片方が0ドルで、もう片方が10ドル出すと、前者が25ドル、後者が15ドルとなる。
- どちらも1ドルも出さない場合、双方の手元に10ドルが残る。
実験結果と日本人の行動傾向の解析
実験結果からは、参加者が自分の利益を最大化するために、最適な戦略を取らず、相手より多くの利益を得ようとした傾向が見られました。
京都先端科学大学特任教授の西條辰義氏は、この結果から、日本人が競争的な状況下でどのように行動するかについての洞察を得ました。
つまり、自分が多少損をしてまでも相手よりも優位に立つことを選んだわけです。
自分の利益が減っても相手を陥れようとする行為を学術的にはスパイト(悪意、意地悪)行動と呼びますが、これと似たような実験を日本人、米国人、中国人に対して実施し、その結果を比較したところ、相手の利益をさらに減らそうとするスパイト行動は日本人に特に顕著だったことが明らかとなりました。
「損をしてでも他人の足を引っ張りたい」日本人の"底意地の悪さ"が世界で突出している根本原因
まとめ
大阪大学社会経済研究所の実験は、日本人の行動経済学に関する重要な洞察を提供しています。
この実験は、個人の利益最大化よりも競争的な行動を取る日本人の傾向を示しており、行動経済学の分野における興味深い発見と言えます。
日本社会においても、悪いことをしたりルール違反した人をSNS上で大勢で叩く習慣がありますが、これも日本人特有の他人の不幸を望む性格に関連しているのかもしれません。
この記事では、その実験の方法と結果、およびそれが示す日本人の行動パターンについて詳しく探求しました。