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少し前までは女性の名前は「○子」という名前が多かった…女性の名前に「子」が多いのはなぜ?

2022年5月20日

現代ではあまり見かけなくなりましたが、少し前までは女の子の名前の最後に「子」がつくのがとても多かったです。
また、歴史の授業で「小野妹子」や「蘇我馬子」などを見聞きしたことはありましたが、彼らは男性です。
「子」は元々男性に付けられていましたが、現代ではなぜ女の子の名前に「子」がつくことが多くなったのでしょうか?

「子」がつくことが敬称

古代中国では「孟子」や「孔子」などがそうですが、偉人や学者に「子」がつくことが多く「子」は「先生」という意味の敬称でした。
そこから日本にも伝わり、身分の高い男性に付けられる様になりました。
冒頭にも書きましたが「小野妹子」や「蘇我馬子」「聖徳太子」などが挙げられます。

上流階級の女性にもつけられるようになる

女性の名前に「子」がつけられるようになったのは、正確にいつ頃かはわかりませんが、奈良・平安時代には身分の高い男女につけられるようになりました。
天皇や貴族の娘など上流階級の娘などに付けられており「紫式部」や「清少納言」が仕えていた一条天皇の中宮彰子、定子が挙げられます。
更に、天皇家の女性の名前も皆「子」がつきます。

江戸時代には武士の娘にもつけられるようになりました。
一般庶民の女性に「子」がつけられるようになったのは明治時代後期とされており、士農工商が撤廃されたため急速に増えていったと考えられています。

35年間もの間人気だった「○子」という名前

明治安田生命の生まれ年名前ランキングによると、1912年から「子」という名前はランクインするようになり、1921年から1位から10位までを「子」という名前は独占し、1956年までの35年間もの間、10位までを「○子」さんが占めることになります。

1957年から「明美」や「真由美」「美穂」などが人気になり、1986年からは10位内から姿を消します。

まとめ

かつて「子」という名前は中国から伝わり、身分の高い男性に付けられていました。
次第に女性にも広がり、上流階級の女性に多くつけられるようになりました。

士農工商が撤廃され、明治時代後期から一般庶民の女性にもつけられるようになりました。

それまでは、上流階級の女性にしか付けられなかった「○子」という名前は高貴で上品なイメージもあるので、憧れていた人々が多くおり、自分の娘に心を込めて付けたことでしょう。

しかし、当初は高貴で上品なイメージではありましたが、その後あまりにも「子」という名前が多くなり、普通すぎて無味乾燥的なイメージとなり…現代では、殆ど「子」という名前は見かけなくなりました。
時代の流れもあるので仕方のないことですが、「子」という名前が少なくなって見かけなくなった現代だからこそ、再び再熱することも考えられるかもしれませんね。

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