手紙での宛名は「様」をよく書くよね
「御中」もその1つだね
「殿」はあまり使用しないけども、失礼にあたるのかな?
尊称であった「殿」
「殿(どの)」は、元々は尊称として用いられることが多かったのですが、時代や文脈によってそのニュアンスは変わっています。
古典文学や歴史的な文脈では、貴族や武士、さらにはその家族や親戚に対して使われることが多く、その場合には確かに尊称として用いられました。
しかし現代のビジネスや公式の文書においては「殿」はしばしば目下の者、または部下に対して用いられることがあります。
この場合、上下関係を明確にするためや、命令・指示が公式であることを強調する目的で使用されます。
そのため現代の文脈では「殿」は必ずしも尊称とは言えません。
「殿」が使われる場面
- 公的な文書や法的な書類
- 例えば、裁判所からの通知書などで見られます。
- 伝統的な業界や環境
- 一部の伝統的な業界や職場では、今でも「殿」が使われることがあります。
- 敬意を強調したい場合
- 公式な場や非常に格式のある状況で、特に敬意を示したいと考える場合に用いられることがあります。
- 地域や文化の習慣
- 地域性や特定の文化、または家庭での習慣で「殿」を使っている場合もあります。
- 武道や茶道など
- 日本の武道や茶道、華道などの伝統的な習い事においても使われることがあります。
- 先生や上司への依頼報告
- 一部の教育機関や企業では、先生や上司への報告・依頼書で「殿」を用いる場合があります。
注意点としては、「殿」は非常に公式かつ格式のある敬称であるため、不適切な状況で使うと逆に失礼や違和感を与える可能性があります。
確実に適切であると確認できない限り、一般的には「様」や「御中」が安全です。
まとめ
「殿(どの)」は、日本のビジネスや公式の場において目下の者に対して用いられる敬称としても知られています。
この使用法は、報告、連絡、相談(通称:ほうれんそう)の文書や、依頼書、命令書などで見られることが多いです。
この場合「殿」を使うことで、文書が公式であるとともに、発行者(上司や指導者など)と受取人(部下や指導を受ける者など)との階層関係が明示されます。
ただし、このような使い方は非常に格式があり、かつ独特の文化や環境でしか一般的ではありません。
現代のビジネスの場では、多くの企業がフラットでカジュアルなコミュニケーションを重視しているため、このような形式的な敬称は少なくなっています。
そのため、状況と相手によっては「殿」を用いることが適切でない場合も多いです。
目下の人に対して使用する場合でも、その文化や慣習、相手の期待に照らして慎重に選ぶ必要があります。