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日本の特性を表す言葉「判官贔屓」とは?源義経が関係している?

2023年8月21日

「判官贔屓」ていう言葉知ってる?

日本の特性を表しているようだよ?

源義経が起因だとか…

「判官贔屓」とは?

「判官贔屓(ほうがんびいき・はんがんびいき)」は、弱者や劣勢な立場の者に対する過度な同情や応援を示す概念を表す日本の言葉です。
これは日本の伝統的な物語や演劇において、劣勢や不利な状況にあるキャラクターが観客や読者からの強い共感や応援を受けることが一般的だったことに起因しています。

源義経

この言葉の由来は、平安時代の物語「義経千本桜」に関連しています。

物語において武士の義経は、彼を捕えようとする敵の判官として偽装する場面があります。しかし観客は義経を応援し、彼の成功を願っていました。
この物語が歌舞伎や浄瑠璃で演じられるとき、義経の立場に同情する観客の態度が「判官贔屓」として知られるようになりました。

現代日本語においても、この言葉は弱い立場や劣勢な者への過度な同情や応援を表す際に使われます。

日本の「弱きを助け強気を挫く」思考

「判官贔屓」は日本独特の表現ではありますが、弱者や劣勢にある人々への同情や応援という心理的な動き自体は、日本に限らず多くの文化や社会で見られる現象です。
人間には弱者を応援したり、劣勢な立場の者に共感したりする傾向があります。

また日本の「弱者を助け、強者を挫く」という傾向は、長い歴史や文化の中で形成されてきたものと考えられます。
以下は、その背景として指摘されることのある要因の一部です。

  • 平等思考
    • 日本の社会は、長い間、グループの一体感やコミュニティの調和を重視してきました。
      このため個人の目立った成功や優越性が、グループの調和を乱すと捉えられることがある。
  • 共感の文化
    • 日本の文化や教育は、他者の感情や立場に共感することを重視しています。
      このため、困難な状況にある人々に自然と同情する傾向が強まっています。
  • 儒教的価値観
    • 儒教は、日本の伝統的な価値観や道徳に影響を与えてきました。
      儒教には、社会の調和や家族・親子の関係を重視する価値観があり、これが「弱者を助ける」という態度に影響していると考えられます。
  • 歴史的背景
    • 例えば戦後の日本は、敗戦国としての困難な状況から立ち直る過程で、国民全体が団結して努力してきました。
      このような歴史的経験が、弱者を応援する文化の形成に寄与しているとも言われています。
  • 文学や物語
    • 日本の伝統的な物語や文学には「判官贔屓」の精神が見られる物が多い。これが、日常の感情や態度にも影響を与えている可能性があります。

しかし、これらの要因は一般的な傾向を示すものであり、全ての日本人が「弱者を助け、強者を挫く」という態度を持っているわけではありません。
またこれに類似した感情や行動は、他の国や文化でも見られることがあることを理解することが重要です。

現代における「判官贔屓」の精神

「判官贔屓」の精神は、現代日本でもさまざまな場面で見られます。以下はその一例です。

スポーツ

弱小チームやアンダードッグとされる選手が、強豪との対決で頑張っている様子に対し、多くの人々が応援や同情の気持ちを抱くことがあります。

テレビ番組や映画

弱い主人公やキャラクターが困難な状況に直面した際、視聴者や観客はそのキャラクターに共感し、彼らの成功や幸福を願うことがよくあります。

リアリティ番組

参加者が課題に取り組む様子を放送する番組では、困難に直面する参加者に対して、視聴者が同情や応援の気持ちを持つことがしばしばです。

音楽や芸能界

新人アーティストや若手の役者が業界での足場を築く過程において、多くの人々が彼らの成功を応援する傾向があります。

社会問題

社会的に不利益な立場にある人々やマイノリティに対するサポートや応援の動きも、判官贔屓の精神の一環と見ることができます。

「判官贔屓」は特定の文化や時代に限らず、人々が困難に直面する者に対して共感や応援の気持ちを持つ普遍的な心理を示す言葉として、現代の様々な場面で活かされています。

まとめ

「判官贔屓」の言葉の由来は平安時代の武将、源義経と関連しています。
物語「義経千本桜」において、義経が追われる身となり、敵の判官に変装して潜伏するエピソードが存在します。
観客は義経の窮地に共感し、彼を応援する態度から、この「判官贔屓」という言葉が生まれました。

また、日本人が「判官贔屓」の精神を強く持つ理由は、長い歴史や文化の中での共同体意識の重視、平等志向、そして日本の物語や教育での共感を重んじる価値観が影響しています。

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