髪の毛の寝癖はどうしてできるの?

2023年6月16日

いつも朝に寝癖ができていて治すのに大変

どうして寝癖ってできるんだろう?

寝癖がない人が羨ましいな…

髪の毛の形状を決定する2つの要素

毎朝、寝癖に悩まれている人は多いかもしれません。そもそも寝癖はどうしてできるのでしょうか?

髪の毛の形状を決定する主要な要素は、髪の毛のタンパク質(主にケラチン)間の2つの結合、すなわち化学結合と水素結合によるものです。この2つについて詳しく説明していきます。

化学結合

これは髪の毛のタンパク質分子内部の強い結合で、特に二硫化結合(硫黄と硫黄の間の結合)が重要です。
これらの結合は非常に強く、一度形成されるとそれを変えるには大きなエネルギー(パーマをかけるときの化学薬品や熱)が必要です。
これらの結合が変わると、髪の毛全体の形状が変わります。

化学結合…パーマや縮毛矯正などの薬品で変わる

水素結合

これらは髪の毛のタンパク質分子間の比較的弱い結合で、水分によって形成または解消されます。
髪が濡れているとき、水分子は髪のタンパク質分子間の水素結合を一時的に破壊し、髪の形状を変えやすくします。

髪が乾くと水分子が去り、新しい水素結合が形成されて髪は新しい形状を保つようになります。
これが濡れた髪をブラッシングまたはスタイリングした後に乾かすと、その形状が保たれる理由です。

水素結合…水に濡れて変わる。いわゆる寝癖に関わる原因

寝癖ができる要素

髪の毛の寝癖は、主に以下の要素が組み合わさって形成されます。

圧力

寝ている間に頭や髪が枕に対して一定の位置や圧力を保つことで、髪はその形状を保ちます。
これが寝癖の主な原因で、特に湿った髪に圧力がかかると、髪はその形状をより強く保つ傾向があります。

湿度

髪が湿っていると、その形状を変えるのが容易になります。シャワーを浴びた後、または頭皮からの自然な湿度によって髪が湿っていると、圧力がかかると髪の形状が変わります。
そして乾くとその形状を保ちます。これが寝癖がつきやすい一因です。

髪の質

髪の種類(直毛、波状毛、巻き毛など)や質(乾燥、脂っぽい、細い、厚いなど)も、寝癖がつきやすさに影響を及ぼします。
例えば波状毛や巻き毛は形状を保つ傾向が強く、寝癖がつきやすいです。

寝癖を避けるためには?

寝癖を避けるためのいくつかの対策があります。以下にそのいくつかをご紹介します。

髪を乾かす

髪が湿っていると、その形状を変えるのが容易になります。そのため湿ったままで就寝すると、髪が枕の形状に従って乾き、寝癖ができる可能性があります。
就寝前に髪を十分に乾かすことで、寝癖を避けることができます。

適切なブラッシング

髪をブラッシングしてから就寝すると、髪が整って寝癖ができにくくなります。

枕カバーの素材

シルクやサテンのような滑らかな素材の枕カバーを使用すると、髪が引っかかりにくくなり、寝癖ができにくくなります。

適切な寝癖対策商品の使用

ヘアバンドやナイトキャップを使って髪を保護したり、寝癖防止のスプレーやトリートメントを使って髪のコンディションを整えたりすることも有効です。

寝る姿勢

特定の姿勢で寝ることで、髪に圧力をかけずに寝ることができる場合があります。
例えば仰向けに寝ることで、髪に掛かる圧力を減らすことができます。

まとめ

髪の毛の形状を決定するにあたり科学結合と水素結合が関係してきます。

化学結合は髪の毛の基本的な形状を決定し、それを変えるためには大きなエネルギーが必要です。
一方水素結合は比較的容易に形成・解消できるため、髪の毛の一時的な形状を変えるのに対応します。この二つの結合が合わさることで、髪の毛は基本的な形状を保ちつつも、一時的に形状を変えることが可能となります。

寝癖は後者の水素結合が関係しています。
寝癖は通常、濡れた髪をブラッシングしたり、湿らせてから再度乾かしたりすることで取り除くことができます。一晩で髪が乾燥し、形状が保たれるように、髪を乾かした後に就寝することも効果的な対策となることがあります。

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