はじめに
毎年春になると、多くの日本人が悩まされる花粉症。
くしゃみや鼻水、目のかゆみといったつらい症状に悩む人も多く、「花粉症=日本特有の病気」というイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし、実は花粉症は日本発祥ではなく、意外な国で最初に確認された病気なのです。
では、どこが発祥の地なのでしょうか? また、日本でこれほどまでに花粉症が広がった理由とは?
本記事では、花粉症の歴史や発祥の地、そして日本での拡大の背景について詳しく解説します。

年中飛散している花粉
花粉症については「昔はあまり問題にならなかったはずなのに…現代はなぜ花粉症の人が多いの?」でまとめているので、参考にしてくだい。
毎年春先になると悩ましてくる花粉症。
花粉症の原因となるスギ、ヒノキ、ブタクサなど様々ありますが春先だけではなく一年中飛散していることをご存知でしょうか?
- 関東ではスギ花粉(2月〜4月)・ヒノキ花粉(3月中旬〜4月)・イネ科の花粉(5月〜6月)・ブタクサ花粉(8月下旬〜9月)
- 関西ではスギ花粉(2月下旬〜3月)・ヒノキ花粉(4月)・イネ科の花粉(4月下旬〜5月)・ブタクサ花粉(9月下旬)
発祥の地
花粉症は日本人に特有なものなのかと思いきや、発祥の地は日本ではなくイギリスとされています。
昔から海軍が軍隊の主力を占めていたイギリスでは、軍艦を建造するための場所を確保するために森林を伐採していました。
そこに生えた雑草が、花粉症のアレルゲンを発生させる植物だったとされています。
またイギリス人の他、花粉症に悩まされていた人は世界中にいたそうです。
花粉症は、花粉を吸入するとアレルギー反応を起こす病気で、その原因となる花粉の種類は地域や気候によるということです。
北アメリカではラグウィードの花粉症で悩まされました。
ヨーロッパではブタクサの花粉症が一般的で、ノルウェーやスウェーデンに人々はカバノキの花粉などに悩まされているとのことです。
これらの花粉症は、それぞれの地域で長い間問題となっていました。
誤算だったスギ花粉
ちなみに日本においてスギ花粉が初めて確認されたのは、東京オリンピックが開催された1964年のことで、日光市においてだったとのことです。
「スギ花粉症が増えた原因」にもあるように終戦後に都市を再建するための建築用材として、国策によって全国各地にスギが植えられました。
その後、安価な外国産の木材が輸入されることで国産スギの価格が下落しました。
これにより仕方なく放置されたスギが花粉を撒き散らすようになったのです。
スギは樹齢30年頃から花粉を撒き散らし、樹齢50年まではそれを止めないそうです。

まとめ
花粉症自体は世界中で悩まされた問題であり、イギリスが発祥の地といわれています。
その他アメリカやヨーロッパでも花粉症で悩まされている人は沢山いたということです。
各地域で異なる花粉が問題となるアレルギーとして長い間存在していたということになりますね。
ただしスギ花粉症に関しては、戦後の日本の急激なスギの植林政策によって急速に広まったとされています。
これはスギの花粉が大量に飛散するようになった結果、スギ花粉症の患者が増えたためです。
したがって、スギ花粉症の「発祥の地」としては日本を指すことができるのかもしれませんね。
また、スギは樹齢50年まで花粉を飛散させる特徴があるようなので、まだまだ日本人は花粉に悩まされる時代が続きそうですね…