鉄道会社で持ち込めないものの中に「死体」ってあるらしいよ
どうしてわざわざ明記されているんだろう?
昔は持ち込んでいたということ?
鉄道会社の規則
2015年の6月に東海道新幹線の車内で放火事件が発生し、多くの乗客が煙を吸い込み死者もでました。
この事件をきっかけに、新幹線の車内に持ち込めるものを見直す動きがでました。
鉄道会社各社はそれぞれ旅客営業規則を作成し、列車内に持ち込めるもの・持ち込めないものを明記しています。
その持ち込めないものの中に意外な項目があり
「死体」は持ち込んでいけないと記されているのです。
JR東日本の旅客営業規則の第307条の「持込禁制品」
火薬類・高圧ガスなどの危険品
暖炉及びコンロ
動物
不潔又は臭気のため、他の旅客に迷惑をかけるおそれがあるもの
車両を破損するおそれがあるもの
死体
明治時代や戦時中には死体を列車で運んでいた
明治時代には葬儀が一般的に行われていなかったため、死体を列車で運ぶことが行われていました。
当時の日本では、葬儀は家族や地域の人々が手厚く行うことが一般的でしたが、近代化が進むにつれ都市化が進み、葬儀を行うスペースがないなどの問題が生じるようになっていきました。
このため明治期には、死体を列車で運ぶことが行われるようになりました。
列車で運ばれる死体は荷物扱いとされ、棺や布団などで包んで運ばれました。
また明治期には、鉄道会社が死体輸送を行うことで利益を得ることもありました。
当時の鉄道会社では、死体を運ぶことで運賃収入を得ていたこともあったのですね。
第二次世界大戦中も戦死者を列車で運ぶことが行われていましたが、さすがにそれは禁止しなければならないということで、昭和17年に当時の鉄道省によって鉄道の運輸規定に明記され、それが現在まで受け継がれているということのようです。
まとめ
鉄道会社の規則には、持込禁止のところに「死体」とハッキリ明記されているということですが、明治時代や戦時中には列車で死体を運んでいたことがあったからなのですね。
衛生面の問題だったり、死体は一般的に不快感を与えるものであったり、法的問題においても列車で死体を運ぶということを禁止するのは当然なのかもしれませんね。