今や春といえば花粉症が浮かぶという人も多いかと思います。生活にも支障がでて、数多くの治療が試みられています。
いまや国民病とも言われるスギ花粉症ですが、1960年以前には、あまり聞かれることはありませんでした。
いったい、なぜここまで花粉症に悩む人が多くなってしまったのでしょうか?
花粉症を発症する原因
花粉症は季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれ、主にスギなどの植物の花粉が鼻腔内に入り、免疫反応によって鼻水などの症状が引き起こされます。
どう発症するかと言いますと、以下のようなメカニズムで発症します。
- アレルゲンが鼻腔内の粘膜に付着
- 体内に抗体ができ、マスト細胞という細胞に結合
- 再びアレルゲンが侵入すると、マスト細胞からアレルギー誘発物質が放出される
- 鼻水などのアレルギー反応が出る
季節性アレルギー性鼻炎を引き起こす植物
季節性アレルギー性鼻炎を引き起こす植物は、日本では約60種類と言われており、鼻炎を引き起こす花粉は一年中飛んでいます。
最も患者数が多いのは春のスギ花粉ですが、春先のスギやヒノキ以外にも、シラカンバやブタクサなど季節関係なく季節や地域で異なります。
また「花粉症は日本発祥ではない…意外な発祥の地とは?」も参考にしてください。
スギ花粉症が増えた原因
スギ花粉症が急増した原因としては、農林水産省が推奨してきた大規模スギ植林が主に挙げられます。
第二次世界大戦以後木材の需要が急速に高まりましたが国内木材は不足気味でした。
成長率が高くて建材としての価値が高い樹木の植林や代替植樹を大規模に行いましたが、結果的には花粉症を発症することにも繋がってしまいました。
花粉症になりやすい人
花粉症を発症する人としない人がいますが、元々遺伝的にアレルギー体質があるかないか以外にも、以下のような原因が考えられています。
食生活の変化
同じ地域に住んでいても、高齢者で花粉症を発症している人は少ないです。そういったことから食生活の変化が挙げられます。
昔は、今のようにインスタント食品やスナック菓子やファーストフードなどなかった和食の時代なので、アレルギー体質になりにくい要素が考えられます。
他には、自律神経を乱す睡眠不足や不規則な生活、ストレスなども関係していると言われています。
排気ガスの影響
花粉の飛散量が同じだとしても、排気ガスが多い地域に住んでいる人の方が発症しやすいと言われています。
その理由としては、排気ガスの中に含まれている微粒子と一緒に花粉を吸い込んでしまうことによって、アレルギー反応が出やすくなるからです。
更にアスファルトとも関係があるようで、田舎だと花粉が飛んでも土に吸収されるので再び舞うことはないのですが、アスファルトだと落ちた花粉が何度も風で舞い上がるので、空中を飛んでしまうので花粉を吸い込んでしまいやすいと言われています。
まとめ
毎年春になると、スギ花粉で苦しむ人は多いのではないでしょうか。
昔はそこまで問題ではありませんでしたが、徐々にスギ花粉の問題が増えてきました。
その理由としては、国の政策でもある大規模スギ植林によって大量のスギが植えられたことでした。
当時は、まさかスギの花粉によって人々が苦しむことになるとは思ってもいなかったのでしょう。
それ以外には、現代の食生活やアスファルトなども関係があると言われています。
アレルギー性鼻炎は本当に辛く、薬を飲まないと何も集中できないという人もいます。
花粉症がひどい人は、帽子やメガネやサングラス、マスクをして対策をしましょう。