寒いときや怖い思いをしたときにゾワゾワする感覚…鳥肌はどうしてたつの?

2022年6月21日

気温が下がってくる秋口や冬などの寒いとき、怖い時などに鳥肌がたった経験をした人は多いのではないでしょうか?
普段からなにげなく「鳥肌がたった」というように使われますが、そもそも鳥肌とはなんなのでしょうか?
なぜ、あのような形であらわれるのでしょうか?

鳥肌の仕組み

寒さなどを感じたときにたつ鳥肌…鳥肌はどんな状態かというと、人の皮膚上で「立毛」という現象が起こっている状態を表しています。
もう少し詳細に説明していきます。

立毛現象

人の体は無意識のうちに内蔵を動かしたり血液を循環させたり、体温を調節しています。こういった無意識の調整を行っているのが自律神経です。
自律神経は交感神経と副交感神経で成り立っています。

寒さを感じると、交感神経が優位になり毛穴のそばにある立毛筋が収縮します。この立毛筋の収縮で毛穴が閉じ、横になっていた毛が立ちます。そしてこの現象を「立毛」といいます。

立毛筋が収縮することによって毛穴が盛り上がり、鳥肌がたった状態になります。

鳥肌の名残

この立毛現象は人以外の哺乳類にもよく見られ、動物は毛を逆立てることで寒さから体の冷えを防いでいます。

ふくら雀という言葉を聞いたことがあるでしょうか?雀などの鳥は寒い季節になると毛を逆立て、毛と毛の間に空気の層ができるようにします。
このときできる空気の層で寒さを防いでいます。
そしてこの空気をいっぱい取り込み、膨らんで見える姿から「ふくら雀」と呼ばれます。

また、威嚇をするときなどにも自分を大きく見せるためにこの方法を使います。

人間もかつては全身が太い毛で覆われていた時代があり、寒さや強敵に対して、毛を逆立ててしのいでいました。鳥肌はその名残であるようです。

感動や恐怖で鳥肌がたつ場合は?

例えば、コンサートなどに行って迫力ある演奏を鑑賞して鳥肌がたったり、苦手な害虫を発見して鳥肌がたったり…といった感動や恐怖によっても鳥肌がたつ場合があります。

こういった寒さ以外で鳥肌がたつ場合はどういった状態なのでしょうか?

恐怖・感動した場合の鳥肌は解明されていない

実は、寒さや怒り以外の感動した場合や恐怖を感じた場合の鳥肌については明確にされていないようです。

恐怖や恐れに関しては、猫が毛を逆立てて威嚇するのと同じように自分を大きく見せて威嚇するのと同じなのではないか、という説が最も有力とされています。

深く感動した場合の鳥肌は解明されていないので、今後の研究に期待したいものですね。

まとめ

鳥肌の仕組みとしては、交感神経が優位にたち立毛という現象が起きて毛穴が盛り上がった状態ということがわかりました。
そして、人の祖先がまだ寒さから身を守る術を持っていなかった時代、毛を逆立てて寒さから身を守っていたと予測されています。

現代では、ストーブや厚着などをして寒さから身を守ることができるようになり、人の体毛は退化して鳥肌によって寒さから身を守るということもなくなりました。
しかし、未だに寒いときに鳥肌がたつ現象は、祖先から引き継がれた習性の名残なのかもしれませんね。

また、深く感動した場合に鳥肌がたつということについての理由は未だ解明されていないとのことでした。
喜んだり嬉しいときに鳥肌がたつ、ということはあまり聞かないので…感情とは関係ないのでしょうか?

今後の研究に期待しましょう。

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