健康維持や体型維持を目的とし、自宅で気軽にできる運動として注目されている筋トレ。
筋トレによって筋肉がつくことは勿論ですが、筋トレをすることで、死亡・がんや疾病、うつのリスクの予防に繋がっているのでしょうか?
また、筋トレは実施すればするほどそれらのリスクは減るのでしょうか?
運動と病気
「運動をすると健康になる」
誰でも知っているようなことですが、どのような影響があり、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
なんとなくわかっていてもあまりわかっていない人のほうが多いかもしれません。
- 風邪をひきにくくなる
- 運動不足解消
- 腰痛予防
この程度の効果しかないと思っている人が多いのではないでしょうか?
病と運動の関係について、以下のような病について記載していきます。
- がん
- 疾病
- うつ
がん
世界がん研究基金による国際的な評価があります。
運動でリスクが下がるのは、結腸がんは確実、閉経後の乳がんと子宮体がんは可能性大、肺がん・肝臓がん・閉経前の乳がんは可能性示唆となっています。
ただし、運動はすべてのがんのリスクを下げるわけではなく、特定のがんのリスクを下げると言われています。
疾病
東北大学大学院医学系研究科運動学分野チームが、18歳以上の成人を対象に筋トレ実施の有無、及び実施時間と疾病・死亡リスクの関連を研究しました。
筋トレ…レジスタンストレーニング(レジスタンス運動)、ウェイトトレーニング、自重トレーニングなど、筋肉に繰り返し負荷がかかり、筋力の向上が期待される活動すべてが含まれます。
研究方法は筋トレをする人と、まったく実地しないグループのふたつに分けるメタ解析で行いました。
筋トレを全く実施していない群と比較して、筋トレを実施している群の総死亡および心血管疾患、がん、糖尿病のリスクは、ウォーキングやランニングなどの有酸素性の身体活動の影響を考慮しても、10〜17%低いことが明らかになりました。
ですが、総死亡・心血管疾患・がんに対しては週130〜140分を超えてくると筋トレの好影響は消失し、むしろリスクが高くなることが判明しました。
糖尿病については、実施時間が長ければ長いほどリスクが低い結果となりました。
適度な運動を長期間に渡って続けていくことは足腰の強化の向上にもなりますし、自分の足で歩くことにより臓器の弱体化も予防もできますので、長期の運動の必要性がわかります。
うつ
現代では笑われてしまいますが、昭和思考だと気合や根性でどうにかなると考える人もいました。
うつになり休職した人の復職率は2割と言われています。
一度、うつになると反芻思考という状態になりやすく悪化していくことも多くあり、完治させるのは大変です。
世界保健機関(WHO)によると、世界中で3億人以上がうつ病で苦しんでいるそうです。
運動にうつ病のを予防する効果があることはなんとなく想像しやすいですが、キチンとした研究結果がでています。
座ることの多い人がかかりやすい傾向にあります。
デスクワークの仕事の人は、特に注意すべきなのかもしれませんね。
先程のニューサウスウェールズ大学ブラックドック研究所によると、ウォーキングやジョギング、サイクリングなど、一定のリズムで体の筋肉を動かす有酸素運動により、脳の情報伝達のバランスを整える神経物質のひとつである「セロトニン」が活性化することも分かっています。
脳内のセロトニン量が増えると、心が落ち着いてさわやかな気分になり、集中力も高まります。
不安や抑うつ感なども改善され、元気が出てポジティブな気分になります。
また、オーストラリアで発表された新しい研究では、1週間に1時間程度という運動でも、十分に効果を期待できるとのことです。
これは激しい運動である必要はなく軽い運動でも効果があるとのことです。
運動不足で体力がないと感じる人は自分のペースで軽い運動から始めてみるといいかもしれません。
また「筋肉をつけることによってどんな効果があるの?」を参考にしてください。
まとめ
運動は身体に良いとはわかってはいたものの、様々な疾病やがん・うつなどにもここまで効果があるということは知らなかった人が殆どだったのではないでしょうか?
特に筋トレは、ムキムキになり見た目が変わるだけだと思っていたという人が多かったと思われます。
研究結果によると、筋トレを実施していれば総死亡・心血管疾患・がん・糖尿病のリスクは10〜17%低い値を示し、総死亡・心血管疾患・がんについては週30〜60分の範囲で最もリスクが低く、糖尿病は実施時間が長ければ長いほどリスクが低いということがわかりました。
しかし、週に130~140分を超えると、総死亡・心血管疾患・がんに対する好影響は認められなくなり、むしろリスクは高い値を示した結果となりました。
運動(筋トレ )は、やりすぎると健康効果が得られないのでほどほどにやることが好ましいでしょう。