日本人の未婚者は有配偶者に比べて短命という事を、聞いた事はありますか?
国立社会保障・人口問題研究所の発表しているデータ(1995年)によれば、日本の男性の40歳時未婚者の平均余命が30・42年であるのに対し、有配偶者は39・06年となっています。
また女性では、未婚者37・18年と有配偶者45・28年ですから、未婚であると男女とも8年以上早死にする計算になっています。
しかし、女性に関しては2000年以降は、有配偶者よりも未婚者の方が長生きする傾向が定着しているそうです。
その理由はどのようなことがあるでしょうか?また性別の違いはあるのでしょうか?
「既婚」と「有配偶者」の違い
間違えやすい「既婚」と「有配偶者」の違いについて知っておきましょう。
- 「有配偶」とは、現在結婚している人をいう。
- 「死別」とは配偶者と死別し、再婚していない人をいう。
- 「離別」とは離婚し、再婚していない人をいう。なお「既婚」とは未婚ではないということであり「有配偶」「死別」「離別」を指す。
3つの原因
原因については、あるテレビ番組で3つ紹介されていました。
- 食生活が不規則になりがち
- 家に帰っても愚痴をこぼす相手がいないからストレスが溜まりやすい
- 守るべき家族がいないから、精神の張りがなく生物的に弱くなる
何らかの理由で収入が低かったり生活環境が良くなかったりする人は、基本的に寿命が短くなりやすいかもしれませんし、それ以前に生涯結婚する可能性も低いのかもしれません。
つまり結婚しないから寿命が短くなるのではなく、寿命が短くなるような生活環境だから、結婚に至らないという理屈に結びつきます。
女性は未婚の方が長生きする
厚生労働省の「人口動態統計」データ(2018年)によると、女性の死亡年齢の中央値は1990年だと未婚者は67.1歳で有配偶者は67.3歳でした。
しかし2018年は未婚者は81.9歳で、有配偶者は78.3歳という結果になりました。
女性に関しては、結婚が重荷になる理由がいくつか考えられます。
- 出産による身体への負荷で、近年は晩産化が見られる
- 夫の家事分担が低い為、ストレスが溜まりやすい
- 出産や育児で離職をせざるを得ない状況
- 正社員で働くのが難しく、健康診断も受けられない。自治体の健診を受けようにも、幼児がいると難しい。
まとめ
日本の男性の場合は、未婚者よりも有配偶者の方が長生きをし、女性の場合は2000年以降は有配偶者よりも未婚者の方が長生きの傾向が見られる。
この結果に驚いた方も多いのではないでしょうか?
昔は結婚したら女性は家庭に入り専業主婦が当たり前の時代でしたが、今では女性の社会進出が普通の時代です。
家庭でのストレスと外部のストレス、とダブルでストレスが重なり、未婚女性に比べて短命という結果になってしまったのかもしれません。
日本は、少子化が進む一方です。
その理由としては未婚化があげられますが、このように結婚が負荷である現状を知れば、結婚というものに魅力を感じず躊躇う若い女性が多くなっても不思議ではありません。
家庭生活の負荷が女性に偏っている現状を打開するべきなのかもしれません。