はじめに
「万博」とはどのような催しかご存じでしょうか。
単なる見本市ではなく、国際的なルールのもとで開かれる大規模イベントで、社会や経済にさまざまな影響を与えてきました。
本記事では公式の定義や歴史、開催目的をわかりやすくまとめます。

万博の正式な定義
万博は「国際博覧会条約」に基づき、パリに本部を置く博覧会国際事務局(BIE)が登録または認定する国際博覧会の通称です。
条約では、複数の国が参加し、一般市民の教育を主目的として、人類の活動の進歩や将来像を示す催しと規定されています。
万博の主な目的
- 先端技術やアイデアを紹介し、社会課題の解決策を共有する
- 文化交流や国際協力を促進し、相互理解を深める
- 開催地域の経済を活性化し、新しいビジネスや雇用を生み出す
BIE は万博を「教育と進歩のための大規模なプラットフォーム」と位置付け、政府・企業・市民を結ぶ架け橋と位置づけています。
歴史のはじまりは1851年ロンドン
近代的な万博の原点は1851年にロンドン・ハイドパークで開かれた「大博覧会」です。
巨大なガラス建築クリスタルパレスに各国の産業製品が集まり、600万人以上が来場しました。
その後、電話やエレベーターなど画期的な発明が各地の万博で披露され、世界的な技術ショーケースとして発展していきます。
日本と万博
日本が初めて万博に出展したのは1867年のパリ万博で、開催国となったのは1970年の大阪万博が最初でした。
大阪万博では太陽の塔がシンボルとなり、動く歩道やワイヤレステレフォンが登場するなど生活を変える技術が紹介されました。
2025年大阪・関西万博が掲げる目標
公式サイトによると、2025年の大阪・関西万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、SDGs 達成への貢献や Society 5.0 実現の加速を狙っています。
また、全国で約2兆円規模の経済波及効果が見込まれ、地域の中小企業や若手クリエイターへのチャンス創出も期待されています。
万博がもたらす効果
- インフラ整備や観光需要で開催地域の経済が潤う
- 国際的な注目が集まり、都市ブランドが向上する
- 企業や研究機関が出展を通じてオープンイノベーションを加速させる
- 市民が未来の技術や文化に触れ、学びや気づきを得る
万博を支える国際ルール
万博は3週間以上開催される展示会を対象とし、BIE がテーマや開催期間、出展規模などを審査します。
条約に沿った運営により、参加国は公平な条件で出展し、来場者は世界各国の知恵と文化を一か所で体験できます。
まとめ
万博は国や企業、市民が集まり、未来の課題と可能性を共有する国際的なイベントです。
技術展示や文化交流を通じて社会を前進させる役割を持ち、開催地には経済や都市開発のチャンスももたらします。
2025年の大阪・関西万博は、過去の歴史を継承しつつ、SDGs や Society 5.0 といった新たな目標に挑む場となるでしょう。