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グアムはアメリカの準州になる前、どこの国の領土だったの?

はじめに

グアムといえば、青い海と白い砂浜が広がる南国の楽園として、日本人観光客にも人気のある場所です。
現在はアメリカの準州として知られていますが、もともとはどのような歴史を持つ島だったのでしょうか。
この記事では、グアムがアメリカに編入される以前の歴史や文化について探っていきます。

グアムのビーチ

グアムの先住民チャモロ人の社会

グアムには、アメリカが関与するはるか以前から人々が暮らしていました。
その中心となるのがチャモロ人と呼ばれる先住民族です。チャモロ人の祖先は、紀元前2000年頃に東南アジアから航海してきた人々で、グアムを含むマリアナ諸島に定住しました。

彼らは海洋民族として優れた航海術と漁労技術を持ち、ラッテストーンと呼ばれる独特な石柱の上に家を建てる文化がありました。
社会は部族単位で構成され、複雑な親族関係や身分制度が存在していました。

スペイン統治時代

1521年、フェルディナンド・マゼランが世界一周の途中にグアムへ立ち寄ったことをきっかけに、ヨーロッパ人との接触が始まりました。
そして1668年、スペインが正式にグアムを植民地とし、宣教師たちがカトリックの布教を行うようになります。

この時期、チャモロ人とスペイン人の間で武力衝突も起こりましたが、徐々にスペインによる統治が広まりました。
グアムはフィリピンなどを含むスペインのアジア航路の中継地としても重要な役割を果たしました。

アメリカ統治の始まり

1898年、アメリカとスペインの間で勃発した米西戦争により、スペインはグアムをアメリカに割譲することになります。
この結果、グアムは正式にアメリカの領土となり、軍政下に置かれました。

アメリカ統治下では、インフラ整備や教育制度の導入が進められ、英語も広く使われるようになりました。
一方で、チャモロ人の伝統的な文化や言語が影響を受けることにもなりました。

第二次世界大戦と日本の統治

1941年、太平洋戦争の勃発とともに日本軍がグアムを占領し、約2年半にわたって統治しました。
この期間中、島民は強制労働や抑圧を経験し、多くの困難に直面しました。

1944年、アメリカ軍がグアムを奪還し、以後再びアメリカの統治下に戻ります。
戦後は米軍基地の設置が進み、現在もグアムにはアメリカ軍の重要な拠点が置かれています。

現在のグアムとそのアイデンティティ

現在のグアムはアメリカの準州として政治的にはアメリカに属していますが、文化や生活の中にはチャモロ人の伝統が色濃く残っています。
観光や軍事、地元の文化が融合した独特の地域として、グアムはその多様な歴史を現在に受け継いでいます。

グアムの歴史を知ることは、ただの観光地としてではなく、島が歩んできた長い道のりを理解するきっかけになります。

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