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サラブレッドは引退後、どのような後世を送るのか?

はじめに

競馬場で観客を魅了し、スピードと力強さを披露してきたサラブレッド。多くの人に感動を与える存在ですが、彼らにも競走馬としての現役期間には限りがあります。
では、サラブレッドたちは引退後にどのような人生、いや「馬生」を送るのでしょうか?
今回は、競走馬としての役目を終えたサラブレッドたちの行く末についてご紹介します。

馬と青空

種牡馬・繁殖牝馬としての新たな役割

トップクラスで活躍したサラブレッドの多くは、引退後に種牡馬や繁殖牝馬として次の世代を生み出す役割を担います。
血統や競走成績、性格などが評価され、優れた能力を次世代に伝えることを期待されます。

種牡馬となった雄馬は、国内外の牧場で繁殖牝馬との交配に使われます。
優秀な種牡馬ほど交配相手が多く、高額な種付け料を生むこともあります。

牝馬もまた、繁殖牝馬として牧場で大切に飼育され、新しい命を育む役割を果たします。

乗馬やセラピー馬としての再出発

競走馬としての役目を終えたすべてのサラブレッドが繁殖に回るわけではありません。
血統や健康状態、気性などの要素により、別の道を歩む馬も多く存在します。

その一つが、乗馬クラブなどでの乗馬用としての再就職です。
競走馬としての訓練や経験は乗馬でも活かされ、一般の人に馬と触れ合う機会を提供する役割を果たします。

また、近年ではセラピー馬として高齢者施設や福祉施設などを訪問し、人々に癒しを与える活動に参加するサラブレッドも増えています。

馬事公苑や引退馬協会での余生

引退した競走馬の中には、公的機関やNPO法人などが運営する施設で保護・飼育される例もあります。
たとえば、JRA(日本中央競馬会)の馬事公苑や、引退馬協会が運営するフォスターホース制度などが知られています。

これらの施設では、引退したサラブレッドたちが穏やかな余生を過ごせるよう、健康管理や飼育環境の整備が行われています。
中には、競馬ファンが馬の支援を目的に寄付を行い、支援馬として共に歩む取り組みも広がっています。

残念ながら…厳しい現実も

一方で、すべての引退馬が幸せな余生を送れるわけではありません。
競走成績が振るわなかった馬や、健康状態に問題のある馬は、新たな行き先が見つからず、やむなく屠畜処分となるケースもあるのが現実です。

こうした課題に対し、引退馬の受け入れ体制の拡充や、民間による引退馬支援活動が少しずつ広がってきています。
サラブレッドたちの第二の人生を支えるために、競馬を愛する人々の関心と協力が求められています。

まとめ

サラブレッドたちは引退後、それぞれの性格や能力に応じてさまざまな道を歩みます。
次世代の競走馬を育む繁殖馬となるもの、乗馬やセラピー活動を通じて人と関わる馬となるもの、そして支援団体のもとで静かに余生を過ごす馬もいます。

華やかな舞台の裏側には、引退後の現実と向き合う姿があり、彼らのその後の生活にも目を向けることが、競馬をより深く理解する一歩となるでしょう。

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