女性警察官の始まりはいつ?女性たちが制服に袖を通した歴史とその役割とは?

はじめに

いまや街で見かけることも珍しくなくなった女性の警察官。
制服に身を包み、男性と同じように事件の現場に立つ姿に違和感を覚える人は少ないでしょう。
しかし、女性が警察官として正式に採用されるようになったのは、意外にも近代に入ってからのことです。

この記事では、日本で女性警察官がいつから導入されたのか、当時の仕事内容や女性刑事の存在について、歴史をたどりながら紹介します。

日本で最初に女性警察官が誕生した時代

日本で初めて女性が警察官として採用されたのは戦後の1946年のことです。
太平洋戦争後、社会の再建とともに女性の社会進出が促進された時代背景の中、警視庁が女性警察官を初めて採用しました。

当時は「婦人警察官」と呼ばれ、制服も男性とは異なる専用のデザインが用意されていました。
最初に採用された人数は少なく、女性ならではの対応が必要な場面に限られて活動する形でした。

スカート廃止

2025年3月、警察庁は女性警察官の制服を見直し、現在のスカートとズボンの2種類のうち、スカートを廃止することを決めました。
女性警察官の業務範囲の拡大によってスカートは現場で動きにくいとして着用しなくなっているということで、警察官の制服の規則に明記されてからおよそ50年を経て除外されることになりました。

初期の仕事内容

当時の女性警察官の主な役割は、女性や子どもに関わる事件や相談の対応でした。
具体的には、家庭内暴力や性犯罪、迷子の保護など、被害者に寄り添う立場での活動が中心でした。

男性警察官では対応しにくい繊細な案件に携わることで、女性警察官は警察組織の中で独自の役割を担っていました。
また、学校や地域での防犯指導や交通安全指導など、教育的な活動も数多く担当していたとされています。

女性刑事は昔から存在した?

戦後間もない時期には、刑事として活躍する女性はほとんど存在していませんでした。
女性警察官は制服警官としての勤務が主で、捜査や取り調べを行う刑事部門は男性中心だったのです。

しかし、1970年代以降、男女雇用機会均等の意識が高まり、女性の登用が徐々に進み始めます。

1980年代には女性刑事の配属も増え、殺人や詐欺などの重大事件の捜査に関わるようになりました。
女性ならではの視点や共感力を活かし、容疑者や被害者との信頼関係を築く役割を担うケースも増えています。

現在では、刑事として活躍する女性も少なくなく、組織の中で昇進し、管理職につく人もいます。
警察組織における女性の立場は、時代とともに確実に広がってきていると言えるでしょう。

まとめ

日本で女性警察官が誕生したのは戦後の混乱期にあたる1946年。
当初は女性や子どもに寄り添う役割を担っていた彼女たちも、今では刑事や指導官として幅広い分野で活躍しています。

制服に袖を通すことは、ただの仕事ではなく、時代を切り開いてきた女性たちの象徴とも言えるでしょう。
これからも、より多くの女性がその道を選び、社会の安全と安心を支えていく未来が期待されます。

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