はじめに
冬場に多いウイルス性胃腸炎といえば、ノロウイルスやロタウイルスがよく知られています。
しかし、それ以外にも感染性胃腸炎の原因となるウイルスが存在します。その一つがアストロウイルスです。
アストロウイルスは比較的軽症の胃腸炎を引き起こすことで知られていますが、乳幼児や高齢者では注意が必要なウイルスです。
また、感染経路や予防策も他のウイルスとは少し異なります。この記事では、アストロウイルスの特徴や症状、感染の仕組み、そして対策について詳しく解説します。

アストロウイルスとは?
アストロウイルスは、ヒトを含むさまざまな哺乳類や鳥類に感染するウイルスの一種です。
特に乳幼児や免疫力の低い人が感染しやすく、主に胃腸炎を引き起こします。
名前の由来は、電子顕微鏡で観察したときに星(アストロ)のような形をしていることから名付けられました。
このウイルスは環境中でも比較的安定しており、食品や水を介して感染が広がることがあります。
アストロウイルス感染の主な症状
アストロウイルスに感染すると、主に以下のような症状が現れます。
- 軽度から中程度の下痢
- 吐き気や嘔吐
- 軽い発熱
- 腹痛
症状は一般的に2~4日程度続きますが、ノロウイルスやロタウイルスと比べると比較的軽症で済むことが多いです。
ただし、体力の弱い乳幼児や高齢者の場合、脱水症状が深刻化することもあるため注意が必要です。
アストロウイルスの感染経路
アストロウイルスは主に以下の経路で感染します。
- 汚染された水や食品の摂取
- 感染者との接触
- 汚染された手や物を介した経口感染
特に集団生活をしている保育園や介護施設などでは、感染が広がりやすい環境が整っているため、注意が必要です。
予防と対策
アストロウイルスの感染を防ぐためには、日常生活の中でいくつかのポイントを押さえておくことが重要です。
- 手洗いを徹底する
食事の前やトイレの後はしっかりと石けんで手を洗いましょう。 - 食品の衛生管理を行う
加熱が不十分な食品や生水を避け、衛生的に調理されたものを摂取することが大切です。 - 施設での衛生管理
保育園や病院、介護施設では、感染者が出た場合の消毒や衛生管理を徹底することが求められます。
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まとめ
アストロウイルスは、ノロウイルスやロタウイルスほど重症化することは少ないものの、胃腸炎の原因となるウイルスの一つです。
特に乳幼児や高齢者のいる家庭や施設では、感染を防ぐための対策が重要になります。
日頃から手洗いや食品の管理を徹底し、感染リスクを下げることが大切です。もし感染が疑われる場合は、水分補給をしっかり行い、重症化する前に適切な対応をとるようにしましょう。