はじめに
新型コロナウイルス感染症が2020年1月以降世界的に蔓延し、パンデミックとなりマスクを着けることが当たり前になった現代。
しかし、感染症対策の必要がなくなっても、マスクを外さずに着け続ける人が増えています。
風邪や花粉症といった明確な理由があるわけではなく、むしろ「マスクを外すのが不安」「素顔を見られたくない」といった心理的な要因が関係しているケースも少なくありません。
このように、本来の衛生目的とは異なる理由でマスクを常に着用する現象は「だてマスク症候群」と呼ばれています。
なぜ、人はマスクを外せなくなってしまうのでしょうか?その心理や影響について詳しく解説していきます。
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だてマスク症候群とは?
だてマスク症候群とは、健康上の理由ではなく、精神的な安心感や他者との距離を保つためにマスクを習慣的に着用する現象を指します。
特に、マスクの着用が一般化したことで、外すことに抵抗を感じる人が増えていると言われています。
- 「マスクを着けていないと落ち着かない」
- 「顔を見られたくない」
- 「人との距離を保ちたい」
といった心理が背景にあることが多く、単なる癖ではなく、社会的・心理的な影響が関係していることがわかります。
なぜマスクを外せないのか?
だてマスク症候群の背景には、いくつかの心理的な要因が考えられます。
- 外見へのコンプレックス
- マスクをすることで、顔の一部を隠すことができるため、外見に自信がない人にとっては安心感を得られる手段になります。
- 対人不安の軽減
- 口元を隠すことで、人とのコミュニケーションのプレッシャーが減少し、不安が和らぐと感じる人もいます。
- 社会的な慣れ
- 長期間マスクを着用していたことで、顔をさらすことに対する抵抗感が強くなり、「素顔を見られるのが怖い」と感じるケースもあります。
- 匿名性の確保
- マスクをしていると、他人に対して自分の表情を隠せるため、社会的なプレッシャーから解放されると考える人もいます。
だてマスク症候群がもたらす影響
マスクを常時着用すること自体は個人の自由ですが、心理的な要因でマスクを外せなくなることで、いくつかの影響が生じる可能性があります。
- 対人関係の希薄化
- マスクを通じたコミュニケーションでは表情が伝わりにくくなり、人間関係が深まりにくくなることがあります。
- 自己肯定感の低下
- マスクを外すことができない状態が続くと、「マスクなしでは人前に出られない」といった自己評価の低下につながることがあります。
- 社会復帰の困難さ
- 学校や職場での対面の場面が増えた際に、マスクを外すことに強いストレスを感じるようになることもあります。
どうすればマスクを外せるのか
だてマスク症候群を克服するには、少しずつマスクなしの時間を増やしていくことが有効です。
- 自宅や親しい人の前ではマスクを外す時間を設ける
- 人の少ない場所でマスクなしで過ごす練習をする
- 鏡を見て自分の素顔に慣れる
- 自分の顔の良い部分に目を向け、自己肯定感を高める
また、強い不安を感じる場合は、カウンセリングや専門家のアドバイスを受けることも選択肢の一つです。
まとめ
だてマスク症候群は、単なる習慣ではなく、心理的な背景を持つ現象です。
外見のコンプレックスや対人不安などが影響し、マスクを外せなくなってしまうことがあります。
長期間マスクを着け続けることで、人とのコミュニケーションが難しくなったり、自己肯定感が低下する可能性もあるため、少しずつマスクを外す機会を増やし、自分らしく過ごせる環境を作っていくことが大切です。