はじめに
近年、眉毛やリップの形を整えるためのアートメイクが人気を集めています。
忙しい朝のメイク時間を短縮できるうえ、汗や水に強いため、美しさをキープしやすいことが魅力です。
ところで、アートメイクの施術には資格が必要なのでしょうか?
実は日本では、アートメイクを施術するには医師、看護師、准看護師免許が必須とされています。
では、なぜ医師や看護師でなければ施術できないのか?無資格での施術はどんなリスクがあるのか?今回は、アートメイクと資格の関係について詳しく解説していきます。

アートメイクと医療行為の関係
アートメイクは、専用の針を使って皮膚の浅い層に色素を入れ、眉やアイラインを形成する施術です。
この施術は、単なる美容行為ではなく、医療行為に分類されるため、日本の法律では医師または看護師、准看護師が行わなければなりません。
医療行為とされる理由は、皮膚に針を刺し、色素を入れる行為が人体に影響を及ぼす可能性があるからです。
感染症のリスクや、アレルギー反応、色素の定着ミスなどが発生する可能性があるため、適切な医療知識と技術を持った人が施術を行うことが求められています。
なぜ看護師免許が必要なのか
アートメイクは医療行為であるため、原則として医師または医師の指示のもとで看護師が施術を行います。
これは、以下の理由から法律で定められています。
- 皮膚を傷つける施術であるため、適切な衛生管理が求められる
- 施術中に出血や感染症のリスクが伴う
- 皮膚の構造や色素の定着など医学的な知識が必要
看護師は、医療の知識と技術を持ち、安全な施術を提供できるため、アートメイクを行う資格が与えられています。
一方で、無資格の施術者によるトラブルも多く報告されており、施術を受ける際には、資格の有無を確認することが重要です。
医師、歯科医師、看護師等の免許を有さない者による医業(歯科医業を含む。以下同じ。)は、医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条その他の関係法規によって禁止されている。ここにいう「医業」とは、当該行為を行うに当たり、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為(医行為)を、反復継続する意思をもって行うことであると解している。
厚生労働省医政局医事課長通知より
無資格での施術は違法?
日本では、看護師免許を持たない人がアートメイクを行うことは法律違反とされています。
しかし、一部の海外では資格が不要な国もあり、個人サロンや無資格の施術者が違法にアートメイクを行うケースも見られます。
無資格の施術を受けると、以下のようなリスクが伴います。
- 感染症やアレルギー反応のリスク
- 仕上がりのムラや色素の定着ミス
- 皮膚トラブルによる長期間のダメージ
こうしたリスクを避けるためにも、アートメイクを受ける際は、施術者が看護師免許を持っているかどうかを事前に確認することが大切です。
まとめ
アートメイクは、美容目的でありながら医療行為に分類されるため、日本では看護師免許が必要とされています。
無資格の施術は法律違反となるだけでなく、感染症や皮膚トラブルのリスクを高めるため、安全性を考えると避けるべきでしょう。
施術を受ける際には、資格を持つ専門の施術者を選び、適切な技術と衛生管理のもとで行われることを確認することが重要です。安心してアートメイクを楽しむために、正しい知識を持ち、信頼できる施術者を選びましょう。