はじめに
「うちの犬が突然、くるくると回り始めた…これって何かのサイン?」飼い犬の行動に変化があると、飼い主としては心配になりますよね。
犬が自分の意思とは関係なく、一方向に回り続ける行動は「旋回運動」と呼ばれるもので、単なる癖ではなく、健康や精神状態の問題が隠れている可能性があります。
本記事では、犬が旋回運動をする主な原因や、どのように対処すればいいのかを詳しく解説します。

犬が旋回運動をする原因とは?
脳の病気
旋回運動が見られる犬の多くは、脳炎や腫瘍など脳に関連する疾患を抱えていることがあります。
特に1歳~8歳の小型犬(チワワやヨークシャー・テリアなど)は、脳炎の影響を受けやすいとされています。
- 症状
- 一方向に回り続ける
- 立ち上がれなくなる
- 目が見えづらくなる
- 対処法
- 速やかに動物病院を受診し、MRIやCTスキャンなどの検査を受けることが重要です。
老犬に見られる認知症
高齢犬では、認知症が旋回運動の原因になることがあります。
認知症は、人間と同様に脳の老化によって引き起こされるもので、犬が意味もなく同じ動きを繰り返す行動(例:くるくる回る)を見せることがあります。
- 症状
- 夜間に興奮しやすくなる
- 食欲が不安定になる
- 飼い主の指示に反応しなくなる
- 対法
- 認知症の進行を遅らせるための治療や、生活環境を改善してストレスを軽減させることが有効です。
内分泌系の病気
甲状腺機能低下症やクッシング症候群といった内分泌系の病気も、犬の旋回運動の原因になることがあります。
これらの疾患はホルモンバランスの乱れを引き起こし、犬の行動に異常をきたすことがあります。
- 症状
- 被毛が薄くなる
- 体重増加や食欲の変化
- 活動性の低下
- 対処法
- 血液検査などを行い、適切な治療を受けることが必要です。
ストレスや不安
犬が新しい環境に適応できなかったり、生活に変化があった場合に、ストレスや不安が原因で旋回運動をすることがあります。
- 症状
- 過剰な舐め行動
- 家具や自分の体を噛む
- 過度な吠え
- 対処法
- 飼い主が安心感を与える環境を整え、散歩や遊びなどでストレスを発散させてあげることが大切です。
排泄の前兆
意外かもしれませんが、犬がトイレをする前にくるくる回るのはよくある行動です。
これは旋回運動とは異なり、排泄の準備動作として自然に行われるものです。
動物病院で診察を受けるときのポイント
犬の旋回運動を正確に診断するためには、動物病院での診察が必要ですが、その際に役立つ準備があります。
- 行動の動画を撮影する
- くるくる回る様子をスマートフォンで記録し、獣医師に見せるとスムーズに診断が進みます。
- 犬の最近の行動をメモする
- 食欲や体重の変化
- トイレの頻度や状態
- 他に気になる症状があるかどうか - 質問を用意する
- 「旋回運動の原因は何が考えられますか?」
- 「どのような治療が必要ですか?」
まとめ
犬の旋回運動は、単なる癖ではなく、脳や内分泌系の病気、認知症、またはストレスなどが原因である可能性があります。
この行動を見つけたら、まずは冷静に観察し、速やかに動物病院を受診してください。適切な診断と治療を受けることで、愛犬の健康を守ることができます。また、日頃から犬の生活環境を整え、ストレスを軽減することで旋回運動を予防することも可能です。