歴史 雑学

江戸時代のお代官様は本当に悪人が多かったの?

2023年7月26日

時代劇を観てると、よく悪代官て出てくるよね

「お主も悪よのう〜」って賄賂を受け取ってるイメージ

そんなに悪い人が多かったのかな?

お代官様の仕事

江戸時代の日本におけるお代官(だいかん)は幕府または藩の役職で、地方の行政や治安維持を担当していました。

大きく分けて2種類の代官が存在しました。
一つは幕府直轄地(天領)を支配する「幕府代官」、もう一つは藩内の行政を担当する「藩代官」です。

  • 幕府代官
    • 幕府が直接支配する天領を管理していました。
      税収の徴収や土地の測量、治安維持、災害時の対応など、地方行政全般を担当していました。そのため彼らは事実上の地方長官であり、領民からは土地の領主と見なされることもありました。
  • 藩代官
    • 藩の内部で、藩主の命令に基づいて各種の業務を遂行していました。
      これには藩政の運営、藩内の土地や資源の管理、農民からの税収徴収、法律の執行などが含まれていました。

これらの代官は、身分的には武士の中でも比較的下位に位置することが多かったですが、彼らが持っていた行政権は非常に大きく、領民に対しては相当な影響力を持っていました。
また特に幕府代官は領地を転々とすることが多く、結果として全国各地の実情に詳しくなることから、情報収集の役割も果たしていました。

今でいうとどんな役職?

代官の役職は、現代の地方行政における市町村の首長や公務員、あるいは国によっては郡のシェリフなどに近いかもしれません。

具体的には彼らは税の徴収、公共事業の実施、地方の治安維持など、地域の行政全般を取り扱っていました。
これは現代における市町村長や公務員が行う役割と共通しています。また法を執行するという意味では、アメリカなどで見られる郡のシェリフにも似ています。

ただしその具体的な権限や役割、社会的地位などは、江戸時代の社会制度や文化背景と現代のそれとは大きく異なるため、完全に一致する役職を見つけるのは難しいです。
現代社会には存在しない特有の要素(例えば、代官が領民に対して絶対的な権力を持っていたこと、代官が藩主や将軍から直接任命されたことなど)が含まれていたため、これらを完全に現代の役職に置き換えるのは不可能です。

実際に「悪代官」は多かったのか

時代劇における「悪代官」は、物語を盛り上げるための図式であり、全ての代官がそのような存在だったわけではありません。

実際には、代官の職務は地方行政を円滑に運営するためのものであり、多くの代官はその職務を適切に遂行していました。
その中には公平かつ厳格に治政を行い、領民から尊敬される代官も少なくありませんでした。

しかし彼らが持っていた行政権は大きく、権力を乱用する人物もいました。

重税を課す、賄賂を受け取る、不正な判決を下すなどの行為を行う代官もいたのは事実です。
これらは現代でも悪質な公務員や政治家の問題と同様に、当時の人々の生活を直接的に左右する問題でした。

時代劇で悪代官がよく描かれるのは、こうした権力の乱用や公正さの欠如を通じて、人々の正義感を喚起し、視聴者の共感を得るためです。
また、悪代官と正義の侍や庶民との対立はドラマティックなストーリーテリングを可能にします。

しかしこれはあくまでフィクションであり、実際の江戸時代の代官全体を代表するものではないと理解することが重要です。

まとめ

代官には大きく分けて2種類の代官が存在しました。一つは幕府直轄地(天領)を支配する「幕府代官」、もう一つは藩内の行政を担当する「藩代官」です。

時代劇では、よく賄賂を受け取って悪いことをしているイメージの強い悪代官ですが、物語を盛り上げるための設定であるだけで、実際は悪い人ばかりではありませんでした。

中には権力を悪用する人もいたそうですが、代官の職務は地方行政を円滑に運営するためのものであり、多くの代官はその職務を適切に遂行していました。

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