よくアメリカのドラマや映画でFBIって出てくるよね
FBIは警察よりも上のようなイメージだけども…
実際、仕事内容はどう違うんだろ?
FBIと警察官の違い
FBI(連邦捜査局)と地元の警察官の主な違いは、彼らが担当する法域とその責任範囲にあります。
FBI
FBIはアメリカの連邦法執行機関で、主に連邦法に違反する犯罪を捜査します。
これにはテロ対策、サイバー犯罪、重大な白領犯罪、組織犯罪、公式の汚職、重大な盗難などが含まれます。
FBIは全国的に、また場合によっては国際的にも活動します。FBIの特別捜査官は通常、大学での4年間の学位を取得し、専門的な法執行訓練を受ける必要があります。
FBI(連邦捜査局)の特別捜査官になるための選抜プロセスは非常に競争的であり、その難易度は高いとされています。
FBIになるための条件
- アメリカ市民権を持っていること
- 23歳以上36歳以下の年齢であること(一部の専門的な背景を持つ候補者や軍事経験者は例外を適用することができます)
- 4年制大学で学士号を取得していること
- 特定の体力試験に合格できる身体的健康状態であること
- 一部のポジションでは、特定の専門スキル(例:会計、工学、情報技術など)または語学能力が求められることもあります
- 背景チェックとポリグラフ(嘘検出器)テストに合格すること
これらの要件を満たした上で、候補者はFBIアカデミーの厳しい訓練を経る必要があります。
この訓練は調査技術、法律知識、物理的訓練など、特別捜査官としてのスキルを磨くためのものです。
アメリカの警察官
警察官は地方自治体または州の法執行機関に所属しています。
彼らの主な任務は地方や州の法律を執行し、治安を維持し、犯罪を予防し、犯罪者を逮捕することです。
警察官の活動範囲は、所属する自治体または州に限定されています。
警察官になるためには、一般的に高校卒業資格と警察アカデミーの訓練が必要です。
警察官になるための条件
アメリカで警察官になるためには、一連の手続きと要件を満たす必要があります。
以下に一般的なプロセスを列挙しますが、この要件は州や特定の地方自治体によって多少異なることがあります。
- 多くの警察部署では、最低限として高校卒業資格またはGED(General Educational Development:高校卒業相当の学力を証明する資格)を持っていることを要求しています。
一部の部署では、2年間または4年間の大学教育を必要とする場合もあります。 - 候補者は一般的に最低でも21歳で、アメリカの市民でなければなりません。
- 候補者は徹底的な背景調査を通過しなければなりません。これには犯罪歴、薬物使用、財政状況などの確認が含まれます。
- 候補者は身体的な健康状態と適性を示す必要があります。また、心理テストも行われることがあります。
これらの基準を満たした候補者は、警察アカデミーに入学します。
警察アカデミーは、アメリカ全土に分散して設置されている教育施設で、新たな警察官に必要なスキルと知識を教えます。
ここでの訓練には、法律教育、パトロール手順、防衛戦術、銃器訓練、緊急対応、交通事故調査などが含まれます。
訓練は通常数ヶ月間続き、成功すると警察官として働くための認定を得ることができます。
警察官と保安官の違いは?
アメリカの保安官と警察官の主な違いは、その管轄地域と責任範囲にあります。
警察官は上記のとおりです。
一方保安官は通常、郡または郡相当の地域の最高の法執行責任者であり、その職務は地域によりますが、通常、郡全体の法執行、郡の刑務所の運営、裁判所の警護、郡の税金の収集などを担当します。
保安官とその副官(保安官事務所のスタッフ)は、警察署が存在しない未編入地域や、独自の警察部門を持たない町の法執行を担当することもあります。
保安官は通常、公の選挙により選出されるのに対して、警察官は警察署長により雇用されます。警察署長自身は通常、市長または市政委員会により任命されます。
FBIの設立
FBI(連邦捜査局)は、1908年にアメリカの司法長官であったチャールズ・ボナパルトによって設立されました。
彼は私立探偵や地元の警察官を雇う代わりに、自分の特別捜査員のチームを設立したいと考えていました。
彼の目的は、犯罪捜査を政治から独立させ、より効率的で専門的な組織を作り出すことでした。
FBIの初期の任務は、人身売買(マン・アクト)、破産詐欺、反トラスト法違反など、主に州を超える法律違反に関するものでした。
しかしその役割は20世紀を通じて次第に拡大し、より広範な連邦犯罪の捜査をカバーするようになりました。
FBIの役割は、1920年代の禁酒法時代や1930年代の暗黒時代(公共の敵と呼ばれる一連の銀行強盗や誘拐犯が活動した時期)に特に注目を集めました。
これらの時期にはFBIは公共の敵を追い詰め、彼らを逮捕したり、法に服させたりすることで名声を高めました。
また20世紀を通じて、FBIは国内テロ、スパイ行為、公職者の汚職、シビルライツ違反、組織犯罪など、新たな問題や脅威に対応するために、その使命と手法を拡大し続けました。
FBIは現在、全国の法執行機関で最も重要な役割を果たしており、連邦犯罪の捜査や国家の安全保障に関連する問題を取り扱っています。
CIAとは?
CIA(Central Intelligence Agency:中央情報局)もアメリカの政府機関ですが、FBIと役割は違います。
CIAは主に外国の情報収集と分析を行い、その情報をアメリカの政策決定者に提供することを任務としています。
これは主に、アメリカの国家安全保障に関連する情報を含みます。
CIAは外国の政府、企業、個人、その他のグループについての情報を収集し、アメリカの指導者がより情報に基づいた決定を下せるようにすることを目指しています。CIAは主に海外で活動し、一般的には法執行活動を行いません。
どうして日本にはFBIのようなものがないの?
日本にはFBIと同等の組織として、警察庁と公安調査庁が存在しています。
これらの組織はFBIと異なる形で機能していますが、日本の治安維持と国家の安全保障を担当しています。
- 警察庁
- 警察庁は内閣府の外局で、全国の警察組織を監督し、法執行の指導と調整を行っています。
これには犯罪の捜査と防止、交通法規の執行、公共の秩序維持などが含まれます。
- 警察庁は内閣府の外局で、全国の警察組織を監督し、法執行の指導と調整を行っています。
- 公安調査庁
- 公安調査庁は日本の情報機関で、主に国内の安全保障に関連する情報収集と分析を行っています。
これは、テロリズムや極左・極右活動、国外の諜報活動などに対処するためです。
- 公安調査庁は日本の情報機関で、主に国内の安全保障に関連する情報収集と分析を行っています。
FBIのような単一の全国的な法執行機関が日本に存在しない理由は、その政治的構造と歴史に由来します。
日本の警察システムは地方分権化されており、各都道府県が独自の警察組織を持っています。
これは、地方自治体が地元のニーズに直接対応できるようにするためです。
また日本の警察組織の構造は、第二次世界大戦後の連合国による占領とそれに伴う改革の結果であり、全国的な警察組織の権限が過度に強化されることを防ぐために設計されました。
それでも日本の警察庁と公安調査庁はそれぞれの役割を果たし、日本の治安と国家の安全を維持するために連携しています。
まとめ
アメリカのFBIと警察官の違いは、担当する地域とその責任範囲にあります。
FBIはアメリカの連邦法執行機関で、主に連邦法に違反する犯罪を捜査します。これにはテロ対策、サイバー犯罪、重大な白領犯罪、組織犯罪、公式の汚職、重大な盗難などが含まれます。
一方、警察官は地方自治体または州の法執行機関に所属しています。彼らの主な任務は、地方や州の法律を執行し、治安を維持し、犯罪を予防し、犯罪者を逮捕することです。
ただしこれらの機関はしばしば協力し、重大な犯罪や公共の安全に関連する問題に対処します。例えば、FBIは地元の法執行機関と共に、特定の犯罪の調査を支援するために資源を共有することがあります。
またアメリカの場合は凶悪犯罪が多いため、警察だけではなくこういった組織を作る必要があるのかもしれませんね。